背水の京都ジュベナイルズ、2つのピックシックスで頂点へ

— JAPAN FLAG FOOTBALL関西 シニア男子日本選手権予選 —
2026年3月1日、大阪府吹田市のMKタクシーフィールドで、JAPAN FLAG FOOTBALL関西 シニア男子日本選手権予選が開催された。
JAPAN FLAG関西シニア男子リーグは現在、1部・2部の2リーグ制。その中でも1部リーグには、京都ジュベナイルズ(以下、京都)や千里山ブラックジャガーズ(以下、千里山)をはじめ、フラッグフットボール日本代表経験者やトップクラスの選手が多く所属し、国内でも屈指のハイレベルなリーグとして知られている。
昨年の同大会では、京都が関西制覇、千里山が2位。両チームは関西フラッグ界を代表するライバルとして、常に優勝争いを繰り広げてきた。
しかし今シーズンは、千里山がXリーグ経験者など有望な選手を多数補強。一方の京都は少数精鋭のチームであり、さらにその主力の一人が千里山へ移籍した直後の対戦でもあった。
戦力面では、多くの関係者が「千里山ブラックジャガーズ有利」と予想していただろう。
それでも京都は、この一戦にすべてを懸けていた。
千里山戦まで作戦を温存し、ミーティングを重ねて徹底した準備を進めてきた。
「この試合に勝つなら、この方法しかない」
そんな覚悟のもとで臨んだ試合だった。
試合を決めた2つのピックシックス
迎えた大会最終日。この日の直接対決が、優勝の行方を左右する大一番となった。
千里山は勝てば全勝優勝。
それまでに1敗を喫していた京都は敗れればその時点で日本選手権出場の可能性が消える。
まさに背水の陣だった。
試合が動いたのは前半。
京都はQB中垣佑太からWR伊藤耕世へのロングパスで先制し、流れをつかむ。
その直後の千里山の攻撃。
サイドライン際へ投げ込まれたパスに反応したのは、京都のCB中垣佑太。
これをインターセプトすると、そのままエンドゾーンまで走り切り、値千金のインターセプトリターンタッチダウン。
流れは一気に京都へ傾いた。
なんとか流れを取り戻したい千里山は、続くドライブでもミドルパスを積極的に展開。
しかし、そのパスを今度は京都のDB伊藤が読み切る。
中央に投げ込まれたボールを奪い、そのままエンドゾーンまで独走。
この日2本目のピックシックスが決まり、京都は大きなリードを奪った。





photo: Yuuichi Suma
経験が生んだ試合運び
その後、千里山も意地を見せて反撃。ロングパスで京都に忍び寄る。
だが、前半の2つのピックシックスによる14点差は重くのしかかった。
そして京都には、フラッグJAPANのベテラン、磯野元浩がいる。
日本代表として、これまで幾度となく国際大会の大舞台の逆境を乗り越えてきた選手だ。
今もなお、フラッグ代表の一員として活躍を続けている。
そんな磯野が、この得点差と試合展開をコントロールできないはずがない。
フラッグフットボールでは、リードを守りながら試合をコントロールすることも重要な戦術だ。
経験豊富な京都のメンバーにとって、14点のアドバンテージを守りながら時間を使うことは、失点を取り返す千里山よりも容易だった。
試合終盤、千里山は猛攻を仕掛ける。
そして迎えた残り11秒のラストプレー。
フィールド中央に投げ込まれたパスを千里山のレシーバーがキャッチ。
スタンドの視線が一斉にエンドゾーンへ向く。
しかし、その瞬間、京都ディフェンスが一気にレシーバーを囲い込む。
前進を許さず、タッチダウンには届かない。
その瞬間、時計の針はゼロを指した。42対35。京都が優勝を決めた瞬間であった。
準備が生んだ勝利
試合後、勝利を喜び合う京都のメンバーの姿には、この一戦にかけてきた準備と覚悟がにじんでいた。
戦力差が語られる中でも、作戦、準備、そしてチームの結束でそれを覆した勝利だった。





Photo: Yuuichi Suma
日本選手権へ
この結果、優勝した京都ジュベナイルズと、得失点差で2位となった吹田ウエストゲイターズが、
3月8日に開催される日本選手権西日本大会へ出場する。
ここで勝ち上がれば、3月29日に行われる日本選手権本戦への切符が手に入る。
関西の代表として、京都と吹田がどこまで勝ち上がるのか。
日本一をかけた戦いは、ここからさらに激しさを増していく。