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【普及委員会】未来は子どもたちから始まる/袖ケ浦から3000人を動かした伊是名隼人氏が語るフットボール普及論

2028年ロサンゼルス五輪でフラッグフットボールが正式種目となり、競技への注目は確実に高まりつつある。しかし、その一方で全国各地では高校アメリカンフットボール部の部員減少やチーム消滅といった課題も進行している。

そんな中「JAPAN FLAG FOOTBALL関西 普及委員会」が主催するオンライン情報交換会では、全国でフラッグフットボールやアメリカンフットボールの普及に取り組む関係者が集い、それぞれの活動や課題を共有した。

今回のゲストは、千葉県を拠点に活動するZERO FIGHTERS代表・伊是名隼人氏。

アメリカンフットボールチームの運営だけでなく、ジュニアチームの立ち上げ、行政との連携、地域イベントの開催など、多方面からフットボールの普及に取り組み続けている人物だ。特に袖ケ浦市と連携して開催するスポーツ体験イベント「ZEROフェス」は、5年間で延べ3000人以上を集客。フラッグフットボールを入り口に、多くの子どもたちへスポーツとの出会いを届けている。

なぜそこまで行動し続けられるのか。その原動力と未来への想いについて聞いた。

ーーなぜここまで普及活動に力を注ぐのでしょうか?

伊是名 根底にあるのは、やっぱりアメフト界への感謝です。自分はこの競技にたくさんのものをもらいました。だから今度は、自分なりの形で恩返しをしたい。その方法が普及活動だったというだけです。自分にはスター選手みたいな影響力はありません。でも、誰かに競技を知ってもらったり、体験してもらったりすることならできる。だから今は、とにかくできることをやり続けています。

ーーZERO FIGHTERSを立ち上げたきっかけは?

伊是名 2007年にオービックとシルバースターの試合です。本当にいい試合でした。でも、その時に思ったのは「なんでこんなに人が少ないんだろう」ということでした。試合に勝った喜びよりも「こんな面白いスポーツなのに、なぜ人気がないんだろう」という悔しさの方が強かったんです。だったら自分で何かやってみようと思いました。チームを作れば答えが見つかるんじゃないかと思ったんです。

ーー実際に活動を続けて見えてきた答えはありますか?

伊是名 大きな気付きがありました。それは「初めて観る人にとっては、トップチームも下位チームも関係ない」ということです。
実際に試合へ連れていった人たちが「面白かった!」と言ってくれたんです。初めて観る人は、Xリーグのトップかどうかなんて分からない。純粋にスポーツとして楽しんでくれるんです。だから普及されていないスポーツほど、実は広げる余地がある。そこに気付けたのは大きかったですね。

ーー現在はどのような普及活動に取り組んでいますか?

伊是名 今は子どもたちへのアプローチを最優先にしています。大人のファンを増やすことももちろん大事なんですが、競争相手が多すぎるんです。一方で子どもたちはまだフィルターがない。だから私は今「未来のファンを育てる」ことを意識しています。
そのためにスポーツ体験イベントを継続しています。毎年開催している「ZEROフェス」では、15種類ほどのスポーツを体験できるようにしています。フラッグフットボールもその一つです。まずは知ってもらう。楽しんでもらう。それを毎年続ける。その積み重ねが大事だと思っています。

ーーZEROフェスにはどれくらいの人が参加しているのでしょうか?

伊是名 5年間で延べ3000人くらいですね。一回のイベントで集めたわけではありませんが、継続して開催することでそれだけの人に届けることができました。試合も見てもらいますし、スタンプラリーもあります。スポーツを楽しみながら自然にフットボールと出会えるような形を目指しています。

ーー行政との連携はどのように始まったのですか?

伊是名 本当に偶然でした。フラッグフットボールクラブを立ち上げる体験会を開いた時に、市役所の方がたまたま見に来ていたんです。そこで話がつながりました。袖ケ浦市としては、「子どもたちにいろいろなスポーツを体験してほしい」という課題があった。だったらいろんな競技の人たちを集めればいいじゃないか。そう考えて始めたのがZEROフェスでした。結果として2023年に袖ケ浦市との包括連携協定につながりました。

ーーフットボール界の現状についてはどう感じていますか?

伊是名 正直、かなり危機感を持っています。高校チームがなくなったり、部員数が減ったりしている現実があります。少子化という言葉で片付けられる部分もあるかもしれません。でも、それだけじゃないと思うんです。都市部ですら減っている。それは本当に危険なサインだと思っています。だからこそ大人が動かなければいけない。誰かがやるだろうではなく、自分たちがやるしかないんです。

ーーフラッグフットボールの可能性についてはどう考えていますか?

伊是名 ものすごく大きな可能性があると思っています。フラッグフットボールが入口になって、アメリカンフットボールへつながる。そんな流れを作れるかもしれない。昔はトップチームの横で子どもたちがフラッグをやっている風景がありました。あれって本当に素敵な光景だったんです。小学校、中学校、高校、大学。そういう階段が地域の中にきちんと存在することが大事だと思っています。それはもうチーム単位ではなく、地域全体で取り組むべきテーマなのかもしれません。

ーー最後に、全国で普及活動に取り組む仲間へメッセージをお願いします。

伊是名 やっぱり継続ですね。一回やって終わりでは意味がない。毎年続ける。毎月続ける。そうすると少しずつ認知が広がる。今回のように全国の活動家同士がつながることも大切だと思っています。みんなが持っている知識や経験を共有していけば、もっと面白いことができるはずです。フラッグフットボールもアメリカンフットボールも、まだまだ可能性がある。だから私はこれからも続けます。

◆2026年5月27日(水)フラッグ普及合同委員会@ZOOM
参加者:
渡辺 雄一(FUNTIME SPORTS 代表)
伊是名隼人(ZERO FIGHTERS 代表)
小阪田夏加(OVAL SPORTS NETWORK 代表)
高野 篤 (JAPAN FLAG KANSAI 広報)

次回は、2026年6月24日(水) 20時です。
ご興味ある方のご参加もお待ちしております。