フラッグ普及委員会、始動/小阪田夏加が挑む“つなぐ”仕組みづくり

JAPAN FLAGFOOTBALL関西は、普及委員会を新たに立ち上げた。
フラッグフットボールが「知っているスポーツ」から「やってみたいスポーツ」へ変わる瞬間は、競技の華やかな舞台ではなく、学校の校庭や地域のグラウンドにある。そこで子どもたちの目線に立ち、初めてボールに触れる一歩目をつくり、体験の先に“続けられる道”を用意する。その地道な仕事こそ、いま日本のフラッグフットボールに最も不足しているピースかもしれない。
普及の現場では、「楽しかった」で終わってしまう体験が少なくない。せっかく興味を持っても、次にどこへ行けばいいのか分からず、熱量が行き場を失う。小阪田夏加(おさかだ・なつか)が目指すのは、その「入口」と「その先」をつなぐ仕組みづくりだ。出前授業での経験を積み重ねながら、競技と普及を行き来できる導線を整え、関西からフラッグの裾野を広げていく。
その構想は、地域の取り組みを超えて、日本全体の発展にも直結していく。
普及委員会の発足を機に、小阪田はなぜフラッグに惹かれ、何を課題と捉え、どんな未来を描いているのか。ここからは、本人の言葉でその歩みと覚悟を聞いた。
普及委員会・発足記念インタビュー
ーーフラッグフットボールとの最初の出会いは、いつ・どこでしたか?
小阪田 最初の出会いは、2020年11月ごろに参加した出前授業(学校イベント)でした。仕事を辞めて「アメフトの普及に関わりたい」と思い、子どもたちに教えられる場を探していた時に、出前授業の活動を知って連絡したのがきっかけです。大人のフラッグより先に、子どもたちが初めて触れる“子どものフラッグ”を現場で見た。そこで「こうやって入口をつくれるんだ」と実感したのが、私の原点になっています。
ーーそもそも「フットボールを普及させたい」と思った理由を教えてください。
小阪田 高校時代にアメフトの試合を見て、選手ではないのに“見ているだけで熱くなる”体験がありました。そこから競技そのものの魅力に惹かれていきました。一方で、社会人の試合を見に行くと、演出も努力もあるのに観客が少なくて寂しい現実があった。こんなに面白いスポーツなのに、なぜ広がらないんだろう——そのショックが大きかったです。だからこそ、下の世代から入口を増やして、好きになってくれる人を増やしたい。気づけば「普及」に意識が向いていました。
ーー出前授業を重ねる中で、フラッグのどんな価値を強く感じましたか?
小阪田 授業を重ねるほど、フラッグは“運動が得意・不得意”を越えて、子どもが変わるスポーツだと感じました。最初は「何これ?」だった子が、最後には「楽しい、もっとやりたい」と言う。できなかった子が「このスポーツならできる」と手応えを掴む瞬間もあります。先生から「普段体育が苦手な子が、今日は久しぶりに笑顔だった」と言われた時は、フラッグには教育的な価値があると確信しました。勝ち負けだけじゃなく、挑戦できる入口を作れることが、普及の大きな意味だと思っています。
ーーこれからフラッグが、どんなふうに広まってほしいですか?
小阪田 究極は、公園で当たり前のようにフラッグをしている光景が増えることです。子どもだけでなく、大人も含めていろんな世代が一緒にできるスポーツなので、「生涯スポーツの選択肢のひとつ」になってほしい。サッカーやバスケのように、子どもが体を動かす候補に“フラッグ”が自然に入る状態が理想です。さらに、学校現場でも、フラッグがもっと扱われる機会が増えてほしいと思っています。入口が増えれば、続けたい人が次の一歩を踏み出しやすくなるはずです。
ーー普及を進めるために、いま必要だと感じる「協力」や「環境整備」は?
小阪田 気軽に続けられるようにするには、指導者・場所・コストの課題があります。出前授業も、皆さんが仕事を削って動いている現状があり、属人性が高い。継続するためには、現実的に“回せる仕組み”が必要だと思います。場所も、グラウンド自体はあっても抽選や取り合いで新参者は使いづらい面がある。だからこそ、知ってもらう活動を増やしながら、使える場所や導線を整えていくことが欠かせません。理想論だけでなく、続けられる形を一緒に作ることが普及の土台になります。
ーー普及委員会の発足で、これから実現したいことは何ですか?
小阪田 一番したいのは「入口」と「その先」をつなぐことです。出前授業や体験イベントで知ってくれた人が、「もっとやりたい」と思った時に、どこへ行けばいいのか分からず迷子になる——私自身も社会人で始める時に情報がなくて困りました。関西を中心に、体験→継続→チームやクラブへ、という流れが見える形を作りたい。競技のトップだけでなく、“放課後にちょこっとやりたい”層も含めて受け皿がある状態が理想です。普及と競技が離れないように、次の一歩へ案内できる組織でありたいです。
みなさま へ
フラッグフットボールは、知った瞬間に終わらせず「次の一歩」までつなげてこそ広がります。出前授業・体験会・情報発信・練習場所の確保——どれも一人ではできません。普及委員会は、その“つながり”を形にするために動きます。ぜひ、現場でのサポート、広報の拡散、活動先の紹介など、あなたの得意な形で力を貸してください。

フラッグ普及委員会 発足のお知らせ
このたび私たちは、フラッグフットボールの普及と発展を目的とした「フラッグ普及委員会」を発足いたしました。
フラッグフットボールは、オリンピック正式種目として世界的な広がりを見せる競技です。日本にとっても、いままさに新たな歴史の1ページを刻む重要な時期にあります。しかし、その舞台に立ち続けるためには、強化だけでなく、競技の裾野を広げる確かな土台が不可欠です。
現状、日本のフラッグフットボールには多くの課題があります。
競技を知る機会の不足、体験後の継続導線の弱さ、指導者や活動拠点の不足、情報発信の課題。可能性を秘めながらも、その芽を十分に育てきれていない現実があります。
だからこそ、いま必要なのは「入口を増やすこと」、そして「その先へつなぐ仕組み」を整えることです。
その中心を担うのが、小阪田夏加さんの存在です。
小学校教員としての経験を持ち、数多くの出前授業や体験会を通じて子どもたちと向き合ってきた彼女は、フラッグフットボールが持つ教育的価値と可能性を現場で体感してきました。単なる体験で終わらせず、「楽しかった」を「続けたい」に変える。そのための導線づくりこそが、日本のフラッグフットボールの未来を支える基盤になると、私たちは確信しています。
フラッグ普及委員会は、競技と普及を分断させるのではなく、体験・育成・競技を一本の線で結び、誰もが一歩を踏み出せる環境を整えていきます。
日本のフラッグフットボールの普及・発展には課題は山積みです。しかし、その課題に向き合い、前に進もうとする意志を持つ人が一人でもいれば、未来は必ず切り拓けると私たちは信じています。
この委員会は、その最初の一歩です。
そしていま、私たちは同じ志を持つ仲間を求めています。
出前授業を支える人、情報を広げる人、活動の場を提供する人、競技の受け皿を整える人——どんな形でも構いません。
フラッグフットボールを、日本が誇れるスポーツ文化へ。
その未来を、ともに創っていきましょう。